A01-1 実体・非実体深奥質感の計算機視覚の実現
西野 恒
京都大学 情報学研究科
本計画班は実世界における物体や光景の質感を発現する構成要素を視覚情報から抽出することを目指す。特に、実体的(tangible)または非実体的(intangible)質感の両者を知覚しうる計算機情報処理機構を実現することにより、その核となる深奥質感の知覚に迫る。実体的質感に関して、人間の「目測」の計算機による実現を目指し、単に物をその見え(見た目)から認識するという現在の計算機視覚の限界を突破し、一見明らかではないが、視覚情報から抽出されうる物体や環境にまつわる属性を推定できるようにする。非実体的質感に関して、人間が暗黙に視覚より得ている物、人や場に対して働きかける上で有用な属性情報の顕在化を目指す。特に、環境の構成要素として、「物」「人」さらにそれらが配置され形成する「場」を考え、それぞれについて視覚から抽出しうる人間の行動の決定に有用な質感にまつわる情報を網羅的に推定することを目指す。これら計算機視覚を用いた深奥質感の知覚、表現、そして利用の実現を目的とする研究を通し、人間の深奥質感知覚機構の解明および操作に資する。
研究分担者
延原章平
京都工芸繊維大学
鄭銀強
東京大学