B01-2 質感から価値への脳内変換機構の解明
南本 敬史
量子科学技術研究開発機構
私たちヒトは多様な感覚情報を評価するにあたって、生物的な欲求、学習・経験、環境、文脈、感情などによる影響をうける。当研究班は、この深奥質感認知のコアともいうべき生態学的価値計算とその変調の仕組みの理解を目指す。ヒトに最も近しい脳の構造・機能を有するサル(ニホンザルなど)をモデルとして最新の遺伝子導入技術による神経活動操作・計測法を適用し、高次感覚野と複数の価値変調システムと相互作用による生態学的価値計算処理について、質感や価値に関する神経情報の計測や解読に加え、神経活動を制御することで脳情報処理の相関・因果をあわせて解析する。その成果は実事物・実事象から深奥質感に至る情報処理について神経科学的な理解を与え、情報学的観点と相補的に組み合わされることで、深奥質感の理解の深化に寄与するとともに、質感の創成に生かすことが期待される。
研究分担者
小松英彦
玉川大学 脳科学研究所
網田英敏
京都大学
村田 航志
福井大学 学術研究院医学系部門 脳形態機能学分野