D01-10 視覚障害者・晴眼者が質感体験を共有できるインクルーシブ質感提示法の解明
三浦 貴大
産業技術総合研究所
視覚障害者への情報保障のため,様々な感覚代行手法が開発されてきた.視覚障害者は独特の感覚・知覚・認識系を持つため,晴眼者への提示手法がそのまま使えるとは限らない.特に,視覚障害者の質感知覚には不明点がある他,晴眼者の質感知覚との共通性も未解明な点が多い.この点が解明されれば,視覚障害者に多彩な質感を提示できる手法の開発に加え,その手法を用いて晴眼者と感覚体験を共有できると考えられる.そこで本研究の目的を,視覚障害者・晴眼者が同様の質感体験を共有するためのインクルーシブな質感提示法の解明とする.具体的な検討課題は次の4点である:
1)オノマトペを用いた視覚障害者と晴眼者の質感の捉え方の共通性・固有性の解明
2)視覚障害者におけるフォント付き文字情報の理解を支援する可聴化・可触化法の構築
3)視覚障害者が画像情報を直感的に理解するための可聴化・可触化法の構築
4)視覚障害者への空間印象の可聴化法の解明