D02-10 光計算に基づく色素濃度による色変化と色覚
鯉田 孝和
豊橋技術科学大学
環境的要因は我々の色覚をどのように形作るのだろうか?色の三属性の一つである色相は物体認知に重要であるが、色空間内で奇妙な軌跡を描くことが知られている。これはAbney効果として広く知られている色覚特性である。本研究ではAbney効果が色素の濃度に応じた色変化と似ていることに着目し、分光シミュレーションとスペクトル撮影によって自然界で普遍的に生じる色変化であるのかどうかを調査する。もし対応していれば色素という環境的要因が我々の色相知覚を形作った可能性が示唆される。また、色素濃度変化による色グラデーションによって「透明感」や「深み」といった色による多彩な質感の表現が期待できる。