文部科学省科学研究費補助金 学術変革領域研究(A) 「実世界の奥深い質感情報の分析と生成」


D02-18 内受容感覚依存的な情動を伴う質感の神経メカニズムの解明


安田 正治 関西医科大学 医学部 生理学講座

我々の認知・知覚に伴う情動については、生得的または条件付けされた五感(視覚・嗅覚・聴覚など)に起因する反応として、その神経回路が解明されてきた。さらに、心拍・体温変化などの自律神経応答も、この五感から発生する身体変化として理解されてきた。一方で、内臓感覚に代表される内受容感覚による身体変化も逆に中枢神経系の情動関連領域に影響を与え、質感・認知行動の変化を引き起こしうる。しかし内受容感覚入力による、中枢での情動関連領域の変容がどのような神経基盤により行われるのか、詳細は不明である。本研究では、内臓感覚を中枢に伝える迷走神経求心性線維を人工的に刺激し、中枢神経系の情動関連領域の神経活動の変化、それにともなう行動変容を明らかにすることを目的とする。