文部科学省科学研究費補助金 学術変革領域研究(A) 「実世界の奥深い質感情報の分析と生成」


D01-8 データ駆動能動光線空間による質感機械認識


岡部 孝弘 岡山大学

近年,材質識別や反射特性の推定,光学現象の解析などの視覚的質感の機械認識が一定の成功を収めている.ところが,従来の機械認識は,撮影済みの入力画像の処理方法のみをデータ駆動で最適化しているに過ぎない.人間が奥深い質感を認識しようとするとき,被写体を静的に観察するのではなく,被写体を動的に観察するはずである.つまり,質感を認識しやすいように,被写体を観察する視点や被写体を照明する光源を変化させるはずである.本研究では,このようないわゆる観測計画のうち,質感認識のための照明環境(光線空間)の設計に取り組む.具体的には,入力画像を撮影するときの照明方法と入力画像の処理方法の両方をデータ駆動で同時に最適化する.このDeep Lightingと呼ぶ新たな方法論により,人間や既存手法の性能を超える質感機械認識の実現を目指す.