A01-3 アートに含まれる質感情報の情報学的解析
佐藤 いまり
国立情報学研究所
機械学習を用いた画像生成技術の急激な発展に伴い,AIの信頼性,すなわち映像のリアル/フェイク識別に注目が集まっている。昨今の3Dプリンタ技術の躍進を背景として,ディスプレイ上の画像のみならず,目の前の物体に対して質感を計測,再現できる技術の重要性が増している。本課題では,分担者が有する特許技術クローン文化財(最新デジタル技術と伝統的手作業を融合させた摸倣技術)により,異なる素材・作業工程により生み出された模倣品サンプルを準備し,我々が知覚する質感の違いを本物と模倣品の光学特性の違いを通して浮き彫りにすることで,物理計測から深奥質感をつなぐ原理を明らかにする。さらに,復元に用いられる素材自体の光学特性にも着目し,素材の組み合わせや技術者による加工が施されることで生み出される質感の構成条件,修復時の技術者ならびに観察の視線の動きから質感を創作/知覚する観察条件を明らかにすることで,計測から再現をつなぐ統合的な質感継承技術の創出を目指す。
研究分担者
日浦慎作
兵庫県立大学
佐藤洋一
東京大学
平 諭一郎
東京藝術大学