C01-2 深奥質感がもたらす現実と虚構の融合
渡辺 義浩
東京工業大学
空間ARで質感の生成・編集
深奥質感は、人の価値判断・情動・行動に作用する。本研究では、この深奥質感を変容しうるレベルのリアリティを、実世界上の目の前の実体上に創造する。同目標を、人に接触することなく、環境側に設置された技術のみによって達成する。関連研究では、虚実融合によって再現される質感の限界が低く、人の生活様式を変えるほどのリアリティは生まれていなかった。そこで本研究では、まず表層質感の再現限界を超える。特に、動的に変化する人の観測状態と実環境に整合するモノの質感再現に着手し、虚実融合の精度を上げる。また、生来の視覚機能では捉えられない質感世界を実体上に可視化することで、人の認識行動の強化を図る。さらに、モノから場へと範囲を広げることで、人の行動と協調する質感操作を明らかにする。以上3つのかつてないレベルの質感操作技術によって、最終的に深奥質感の変容に挑む。