文部科学省科学研究費補助金 学術変革領域研究(A) 「実世界の奥深い質感情報の分析と生成」


D01-1 外界を定位させる高臨場立体振動ディスプレイの実現


昆陽 雅司 東北大学 大学院情報科学研究科

立体音響の触覚版といえる外界の振動源を定位させる立体振動ディスプレイを実現する.従来の触覚のファントムセンセーションを2つの意味で革新する.第1に,身体上だけでなく,外界に存在する任意位置の振動源を定位させる立体ディスプレイ技術を開発する.第2に,振動源を,正弦波のような単純な刺激ではなく,聴覚域も含む任意の高周波振動に対応可能な振動信号変調技術により無音で体感させる技術を開発する.これらにより,外界の特定の距離・方位にある振動源,あるいは,音源から受ける体感を表現し,存在感・迫真性を格段に向上させることを目指す.立体振動ディスプレイの基盤技術開発に加え,立体音響および視覚刺激との統合による定位性の知覚変化,対象への注意誘導等について検証する.「深奥質感」領域で広く連携可能な汎用的な触覚ディスプレイ基盤技術を提供する.