D01-7 光線場の計測と投影による現実を超える質感への操作
天野 敏之
和歌山大学
二色反射モデルなどの反射モデルに基づく金属表面への光線投影で過度のパラメータ操作を行うことで,現実を超える金属光沢の質感を創出できるかもしれない.しかし,光沢特性は従来の反射モデルで表現されているため,その抽出は物理パラメータ空間の範囲に制限され,予期していない特徴を抽出することはできない.さらに,外観を現実を超える質感に操作するライトフィールド投影は,その物理的な矛盾によって操作対象の反射モードを発光体の輝きに変化させることが懸念される.光沢だけでなく,透明度や粗さなどでも,質感を記述する未発見の特徴を明示的に抽出することはできない.この研究では,質感のないない中性的な無質感を定義し,質感を持つ物体と無質感物体から放射される光線場の偏差より質感をもたらす要因(深奥質感)のもたらす未知の特徴の抽出を試みる.さらに,複数のカメラと複数のプロジェクターを使用した光線場補償フィードバック系を構築することで,光線場投影によって現実を超える質感の創出を試みる.