川嵜 圭祐 新潟大学

質感は、外界物体について素材や状態の推定や、価値や感情の帰属を可能にする。視覚的質 感においては、これまで質感属性を変化させた外界物体を呈示し、得られた行動や神経応答 から質感認知の特徴を明らかにしてきた。特にComputer Graphicsを用いて光学物理パラメーターを操作する方法は強力でヒトを用いた心理物理的検証から霊長類モデル動物を使った神 経情報処理基盤の検証まで同一のパラダイムで検証を可能にした。しかし、これまでのモデル動物の研究においては、質感認知の評価ができなかったため質感認知の深奥的部分の理解が難しかった。本研究では動物の自然な認知状態を評価することが可能な注視時間法を、サ ル質感認知に適用して深奥質感の解明に取り組む。物理パラメーター操作に伴って、果たしてモデル動物の認知状態、心の状態は変化するのか? 質感認知に決定的な影響を与える脳活動とはどのようなものか?について明らかにする。