昆陽 雅司 東北大学

本研究は先行研究で実現した新しい立体振動ディスプレイのコンセプトに対して，体験の質を向上を２つの観点から探求する．立体振動は立体音響と同じように身体外の任意の位置に振動源を定位させる技術であり，聴覚域も含む任意の振動知覚量を独自の振動変調技術を用いて複数の振動子に配分することで実現される． 体感の質の更なる向上に向けて，第１に，振動触覚刺激の周波数成分と外界定位の関係を明らかにし，最適な振動装置の要求仕様を明らかにする．第２に，マルチモーダルの観点から，立体振動と視聴覚による定位性能の相乗効果と迫真性向上を調査する．また，複数振動源の立体振動提示に挑戦し，臨場感向上を検証する．「深奥質感」領域で広く連携可能な汎用的な触覚ディスプレイ基盤技術を提供する．