B01-3 脳損傷患者における深奥質感認識の解明と質感技術の臨床応用
鈴木 匡子
東北大学大学院 医学系研究科高次機能障害学
B01-3では、言語化されない無意識的な質感(深奥質感)の認知について、ヒトの脳のしくみから検討する。まず、瞳孔反応などを手がかりに深奥質感を測定する方法を開発し、認知症を含む脳損傷者や高齢者で深奥質感がどのように変化するかを測定する。深奥質感と認知機能や情動・行動との関連を検討し、深奥質感が日常生活にいかに影響するかを示す。さらに、神経画像研究と統合して、深奥質感に関わる神経ネットワークを明らかにする。そのうえで、深奥質感機能の低下によって生じた情動・行動変化の改善に、質感生成や仮想現実など本領域の技術をどのように活かせるかを探る。
この研究は、深奥質感研究が「ヒトに始まりヒトに還元される」ためのアンカーとなる。すなわち、深奥質感認知の本質を、それが障害された脳損傷者の観察から知り、本領域で得られた様々な知見が深奥質感機能の減弱した方の質感環境改善に資することを目指す。
研究分担者
中内茂樹
豊橋技術科学大学