文部科学省科学研究費補助金 学術変革領域研究(A) 「実世界の奥深い質感情報の分析と生成」


B01-4 視覚・聴覚・触覚・言語情報からの深奥質感認識の統一的理解


西田 眞也 京都大学 情報学研究科

実世界のモノやコトの質感情報は、物理的な光や振動を通して人間に伝えられ、視覚・聴 覚・触覚などの感覚モダリティで処理され、一部は言語に変換される。この質感情報処理全体を統一的な視点で解析することにより、人間の深奥質感処理に迫る。視覚・聴覚・触覚・言語の専門家が集結し、心理物理学・コンピュータグラフィックス・触覚工学・オノマトペ感性工学といった多彩な手法を駆使した研究を展開する。多感覚情報を統合して実物の質感を認識する仕組みと、感覚モダリティ間の質感情報処理における相同性と独自性に注目して、質感を含む複数属性の知覚的整合性に基づく脳内外界モデルの特性の推定、実物の質感がもつリアリティを生み出す心理的・生理的要因の解明、人工神経回路と人間の比較による自然音質感の認識機構の分析、実物の多様な触感を再現する技術の開発、を行う。さらに、「多元質感知」から進めてきた、実物をベースとするマルチモーダル質感データベースの拡充、質感研究の社会実装を目指した質感工学の発展、を進める。

研究分担者

梶本裕之 電気通信大学
上村卓也 NTTコミュニケーション科学基礎研究所
堀内隆彦 千葉大学 大学院情報学研究院
坂本真樹 電気通信大学