C01-1 人間機械融合視覚による質感認識能力拡張
岩井大輔
大阪大学
ウェアラブルな質感の生成・編集
人の視覚に機械視覚を融合することで、人間の質感認識能力を飛躍的に向上させることを目標とする。人の視覚は、限定的な感覚刺激から外界モデルに基づいて豊富な質感を予測し認識する。他方、機械視覚は、人の視覚よりもはるかに高い時空間・波長解像度で光の伝播を捉え、実物から放射される光線場を精緻に分解できる。しかしながら、その分解結果は数値情報に過ぎず、外界モデルとして人間の質感認識に直接用いることはできない。そこで本研究では、機械視覚が捉える質感情報を人の知覚できる形に変換して視界に与え、人の外界モデルをアップデートすることで、深奥質感の生成に迫る。具体的には、実物から放射される光線場を、人間の目に届く直前で直接操作する装着デバイス(光変調眼鏡)を開発し、光線場の中に重層的に織り込まれている質感情報を選択的に強調ないし抑制する。同デバイスは光線群を時空間・波長フィルタリングできる接眼光学系として構築し、それと同期した能動照明と組み合せて、質感情報の自在な変調を実現する。加えて、光変調眼鏡によって人の質感認識能力を向上させることができるか、を明らかにする。
研究分担者
伊藤勇太
東京大学