田中 緑 千葉大学

私たちの日常に溢れる魅力的な質感を、余すことなく捉え、遠くにいる誰かへ正確に伝えるためには、どのようなデジタル機器や技術が必要でしょうか？ これまでの学術的質感研究の躍進によって、人間の質感知覚メカニズムが少しずつ明らかになってきました。また、画像技術の発展によって、よりリアルで高発色・高精細なデジタル画像が日常生活に浸透しつつあります。一方において、私たちを囲む最近の画像機器の特性や物理構造は多種多様であるにも関わらず、質感知覚メカニズムと画像機器の関係性については、深く問われてきませんでした。 この大きな課題を紐解く一歩として、本研究では、これまで不問であった画像機器の物理構造と画像信号、深奥質感知覚の関係解明に取り組みます。具体的には、質感知覚に影響する画像機器の物理構造特性を定量化し、質感評価実験を通じて、それらの物理構造特性を質感再現性能として尺度化することを目指します。