D02-14 自閉スペクトラム症児の深奥質感認識における経時的変化と個人因子との関係の解明
熊﨑 博一
長崎大学
自閉スペクトラム症(ASD)児のほとんどは、 感覚過敏や感覚鈍麻といった感覚処理の特異 性を有することが明らかになっており、背景 には質感認識における特異性の存在が推測できる。同一の感覚入力であっても、ASD児内 で個人によって快不快は多様であり、感覚入力から受ける情動には個人差があることが明 らかになっており、背景には質感認識における多様性の存在が推測できる。応募者は深奥 質感を理解するうえで感覚入力後の経時的変化に着目する重要性を認識してきた。本研究では、深奥質感認識の特異性・多様性があるASD児を対象として、深奥質感認識の経時的変化と個人差に影響する因子を同定することが目的となる。被験者としてASD児、ASD非罹患同胞、健常児を募集する。応募者らが開発中の視覚入力刺激提示システムを用いた際の児の情動の経時的変化を評価し、視覚入力刺激と情動の関係から、深奥質感認識の経時的変化及び個人因子との関連を統計的に検討する。特徴的な要素を検出し深奥質感認識の個人差に影響する因子を同定する。