文部科学省科学研究費補助金 学術変革領域研究(A) 「実世界の奥深い質感情報の分析と生成」


D02-16 マウスの床質感に対する触嗜好性を司る神経回路機構


山下 貴之 藤田医科大学 医学部

肌触りのよいシーツを触った時に心地よさを感じるように、触刺激により快情動が誘発されることがあります。しかしながら、そのメカニズムはまだ完全には解明されていません。私たちはマウスが好む特定の床質感やその床質感への嗜好性の発現に関わる脳部位の一部を同定してきました。しかしながら、床からの触刺激による当該脳部位の活性化機構や当該脳部位の活性化が嗜好性発現につながる機構は不明なままです。そこで、本研究では、好ましい触刺激により活性化するニューロンに対して特異的に蛍光標識・活動操作・活動記録を行うことで、マウスの床質感に対する触嗜好性を司る神経回路機構を同定します。さらには、当該触嗜好回路の情動作用を探ることで、触覚に基づく快情動の解剖・生理学的本質(深奥)を深く理解することを目指します。