文部科学省科学研究費補助金 学術変革領域研究(A) 「実世界の奥深い質感情報の分析と生成」


D02-19 認知・身体の複合的情動に基づく質感の神経機構の解明


安田 正治 関西医科大学 生理学講座

我々は過去の経験や記憶に基づき、外部刺激の快・不快を識別する。感情はこうした認知的な要因に加え、身体内部からの感覚入力の影響も受ける。これらのトップダウン性(認知)とボトムアップ性(身体・内受容感覚)の信号がどのように統合処理されるのか、その神経機構の詳細は不明である。本研究では、認知的・情動的関与の異なる複数の課題を遂行するサルを用い、自律神経応答や表情など多様な情動反応と神経活動との相関を解析する。さらに、内臓感覚の主要な入力経路である迷走神経に電気刺激を加え、中枢神経系の情動関連領域の神経活動の変化、それにともなう認知・情動関連行動の変化を明らかにする。認知・身体の関わる情動に基づく質感の複合的な理解を目指す。